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赤い鎧のような鱗を身に纏う紅龍の群れに囲まれる一人の男。
男の周りには紅竜の死体が数匹転がっている。
男は大剣を両手に握り前方に構え紅竜の群れと睨み合っているが額には汗、顔には焦りが浮かんでいる。
「くそっ!こんなにいるなんてきいてねぇぞ!おりゃあ!!」
飛びかかってくる紅竜を大剣で凪ぎはらうがもう体力が限界なのか膝をつく。
その瞬間紅竜がブレスをはこうと大きく息を吸い込む。
それに気付いた男の瞳に諦めの表情が浮かぶ。
下を向き目をつむり死の覚悟を決める、しかしいつまでたっても体には何の異変もおきない。
すると突然女性の低い澄んだ歌声が聞こえる。
「くるりくるり舞えよ蝶の如くさぁさ始めよう狂い咲く桜の下でさぁさ始めよう赤き宴を~♪」
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