憎しみの根源

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その日から彼女は父さまやメイドたちの目をぬすんで僕の世界に度々訪れるようになった。 今日は父さまと母さまとパーティーにいった。 洋服を買ってもらった。 抱っこしてもらった。 一緒に寝てもらった。 ほかにもたくさんたくさん彼女は外の世界の話をした。 僕の知らない世界をたくさん。 幸せそうな笑みを浮かべながら。 僕が何も答えずにただ彼女を見つめているだけでも。 自分の気が済むまでずっと彼女は話していた。
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