憎しみの根源

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「分かったわ父さま!でもこれでどうやって遊ぶの?」 年相応の無邪気な笑みを浮かべながら彼女は言った。 「こうするんだよ」 僕が望んだ優しい笑みを浮かべたまま父さまは魔法を放った。 冷たい風が通り抜けた直後体のあちこちに切傷ができ血が滲む。 「うっ…ぐぁーー!!」 初めての痛みが身体中を襲い悲鳴をあげた。 その日から僕の本当の地獄が始まった。 ユズハが牢屋に訪れては僕に罵声を浴びせながら魔法の練習だと言いながら痛め付けられる日々。 ユズハ姉さまは同い年くらいの男の子や女の子を何人か連れてきて大勢で僕を痛め付けることもあった。 そして父さまが一緒の日もあった。 一度だけ僕は父さまに助けを求めようとした。 「と…う、さ」 バシッ!! 「けがわらしい」 弱々しく伸びてきた僕の手を冷たくあしらった。 どうしてドウシテ?
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