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そうこうしている間に、皆が立ち上がって動き出した。
それを確認して、兄の元にかけつけようとした時だった。
何かにつかまれた感覚が足にあり、ビクっとしたものの、振り返ると何もいなかった。
「将希?」
声のした方に振り向くと、兄の姿があった。
「兄さん、どっか行くの?」
その問いに、兄は、どこか寂しそうな顔をして、『すぐに帰ってくるから大丈夫だよ。』と頭を撫でて、
そして、兄は家を出ていった。
でも、兄は帰ってこなかった。
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