喧嘩するほど仲がいい

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「…………」 生徒会長がゆっくりと眼鏡を外し、レンズに写っていたものと全く同じ裸眼が露になる。つまり、度は入っていない。 「君はトゥーンを信じているのですか?」 「まあ無理矢理信じさせられたと言うか……でも、信じてます」 その言葉を聞いて、ロジャーがニッと笑うのが皐月には嬉しかった。 「そうか、なら話は早い」 眼鏡を仕舞い、髪を掻き上げると、皐月はあまりの光景に肝を潰した。清純さを絵に書いたような黒髪は瞬く間にポップなグレーになり、その頭頂からはピンと伸びた長い耳が姿を現したのだ。 「う、兎……?」     ・ 「そう。俺の名前は『バロック・バニー』。カートゥーン界の大スター『バッグス・バニー』の息子さ」
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