喧嘩するほど仲がいい

26/34
前へ
/231ページ
次へ
「驚いたか?」 「え、ええ……」 「そうか。じゃあ君は本当に信じているんだな。俺のこの姿を見たって、君以外の全人類は被り物だと言うだろうさ」 バロックはそれだけを確認するのが目的だったようで、髪の色と共に本物の耳を引っ込めた。 「あ、何で戻しちゃうんだよ!」 ロジャーが再び眼鏡を掛けようとするバロックに抗議した。  ・・・ 「こんな姿を他人に見られたら大変だからだ。俺はこの世界で本当の姿を晒すつもりはない。勿論、マンガ物理学もな」 「……!」 皐月はバロックの奥に何か冷たい物を感じた。 「お前がここにくるのは分かっていた。だから俺はお前に警告する。これ以上馬鹿な真似をするな」
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加