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「ロジャー・ラビット……?」
皐月はもう一度その名前を繰り返した。
「それが……貴方の名前なのね」
「……違うよ」
「え?」
ロジャーもまた注目されていないことを嘆くカートゥーンの一人かと思いきや、あっさりと否定された。
「でも貴方はロジャーって自分で……」
「コードネームみたいなものだよ。……深く考えないでくれ」
そして、先程からロジャーの様子が明らかにおかしい。その名前を出してから、狼狽えたような素振りを見せ始めた。
「とにかく、これ以上現実世界をトゥーンの力で混乱させるな!分かったか」
「分からない……分からないよ……」
力の無いロジャーの言葉には反論する価値は無いと踏んだのか、バロックは鼻を軽く鳴らすとさっさと部屋から出ていってしまった。
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