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「…………」
バロックが立ち去った後も、ロジャーは舞台袖の小さな部屋で踞っていた。
「あ、えーっと……その……」
「Surprise(サプラーーーイズ)!!!」
「ウボアッ!?」
皐月は驚きと反射的に後退したことで、派手にひっくり返ってしまった。
「何すんのよこの馬鹿ッ!」
「ハハハ!ボクがあの程度で落ち込むとでも思ったのかい?」
「落ち込んでたじゃん!」
「気のせい気のせい!さ、早く席に戻ろうか!」
「あ、待って!」
バロックの後を追おうとするロジャーを皐月は反射的に引き留めた。
よく分からないが、このまま彼を扉の向こうに行かせてしまったら、二度と会えないような気がしてならなかったのだ。
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