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「ロジャー・ラビットだけどロジャー・ラビットじゃない……」
一人残された後も、皐月は呪文のようにロジャーの名を呟いていた。
「ロジャー・ラビットの血縁者って意味だと思ったんだけど……違うのかな?」
その時、ドアの外側がなにやら騒がしいことに気が付いた。
「あっ!」
一瞬ロジャーがまた暴れたのかと思ったが、そうではなかった。二回目と言うだけあってかなり簡略化された入学式はもう終わっていて、生徒達が退場を始めているのだ。 つまり、皐月はまともに入学式を体験することはできなかった。
「もう!あの二人のせいで人生めちゃくちゃよ!トゥーンなんて大嫌い!」
腹のそこから叫び、不審に思った壇上スタッフが降りて来る前に皐月はそそくさと扉から出ていった。
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