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『えー。間も無くコロニーワールド行き、発車致します』
「ーーーー!!」
その時、皐月に電流走る。
「この声、間違いない……!」
「ど、どうしたの?」
友人が心配そうに話し掛けてくるが、返事をする余裕は彼女には無い。
ジェットコースターの下りの時のような、下っ腹から何かがせり上がってくるなんとも言えない快感。吐き気を催す程の興奮と胸の高鳴り。
私はまた彼の世界に囚われてしまった。もう逃げ出すことはできないのだ。振り回されて、ひたすら振り回される。
友人には教えない。教えてなんてあげるものか。この興奮は私だけのものだ。
私と、彼だけのものだ。
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