クローゼットと夜空の星

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「あー、私もいよいよ明日から高校生かぁ……」 椅子に座りながら夢見心地な表情を浮かべている女性は、この物語の主人公【高本皐月(こうもとさつき)】である。 身分は本人の言った通り明日から高校生だ。しかし家庭環境が少々特殊で、父親が別居中の母子家庭であった。 しかし彼女はそれにめげず、明日から始まる高校生活に胸を高鳴らせていたのだが…… 「さて、お母さんが帰ってくる前にご飯の支度しなくちゃ」 椅子から立ち上がろうとしたその時、クローゼットの内部からガタリという音が聞こえた。 「……?」 皐月は何事かと思い、クローゼットの白いドアを開ける。 「ハローーー!!!」 「キャァァァァァ!!!」 中に人が入っていることなど、考えもせずに。
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