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「貴方、何をなさっているの?」
鋭い声がした。
振り向くと、いつの間にか長身の美女が立っている。
凹凸の激しい豊満な体にやけに露出度の高い鎧をまとった姿は、普段ならまじまじと観察するところだけど今はそれどころじゃない。
彼女は武器を、それも相当な長さの弓に矢をつがえた姿勢で僕に向かっていた。
日の光を反射して矢じりが光る。
あまりに非現実的で、脳の処理が追いつかない僕を見て女性は声の調子を変えずにまた続けた。
「貴方が今捕まえていらっしゃるその鳥です。すぐにお放しなさい」
「え、あ…」
言われるがまま手を放すと、オウムは捨て台詞のように一声叫んでからあっという間に飛び去っていった。
おそるおそる隣の女性に再び視線を戻すと、先ほどの張り詰めた空気はなく、構えた弓も脇に差して仕舞うところだった。
ふう、と小さく息を吐いた彼女と目が合った。
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