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柵の近くまで移動すると、スカジさんは倒木にふわりと腰掛けた。 美女の隣はたいへん気後れしたが、ほかに手頃な場所もないので僕も座った。 「あの、トオルさん?」 「はい」 「なんの装備もされていらっしゃらないようですけど…どちらからいらしたのですか?」 僕はとしあきの安否を確かめに行ったときに部屋で起きたことを話した。 「まぁ、お友達のお部屋にヴィゾフニルが?」 ヴィゾフニル? 発音しにくそうな単語を僕が聞き返すと、スカジさんは説明してくれた。 「あなたと戦っていた鳥ですわ。私達にとっては神獣なんですの」 神獣?あのブサイクで汚い声の太った鳥が? どこに神聖さがあるというんだ。 「不思議ですわね…人に懐かない生き物ですから、お部屋の中にいるはずなんてありませんのに」 「それに僕、気絶したのにいつの間にかここに居たんです。聞いたこともない場所だし…」 色々なことがわからない。 思わず頭を抱えそうになる。
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