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充電器があればいいんだが、この紙の山ではどこにあるんだかさっぱりだ。 とりあえず携帯は小机に避難させた。 おそらく、としあきは出かける気力はある状態なんだろう。 ひとまず安心して、僕はゴミ捨てでもしようかとビニール袋を探すことにした。 流し台の下を開けた途端、場違いな大音量が響いて飛び上がった。 振り返ったら、さっきの携帯が鳴っている。 …電源、切れてたよな? 不気味ではあったけど、電池の接触不良なんかもあるかもしれない。 としあきの好きなロックバンドがやかましく叫ぶので僕は携帯を手に取った。 新着メール 一件 ピカピカと画面に文字が光る。 他人の携帯を覗くのははばかられるが、としあきの関係者なら所在を知っているかもしれない。 それにちょっとした好奇心もあったので、僕は受信ボタンを押した。
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