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ギャアアアアアアアア!!!!
カラスの縄張り争いかと思った。
凄まじい絶叫が耳元で鳴り、鼓膜が震えすぎて麻痺したのを感じた。
次いでなにか鋭いものが僕の右目を狙って飛んでくる。
反射的に目を閉じたが、熱い。
瞼を切られた。
腕で顔を覆っても相手は猛攻を止めない。
手のひらや腕にどんどん切り傷ができていく。
傷自体は小さいが、いつまでも食らっていていいものじゃない。
「この野郎っ!」
バサバサと音のした方に闇雲につかみかかると想像とは違ったふわふわしたものに一瞬触れた。
僕はそれに不意をつかれ、うっかり防御を解いて相手を見てしまった。
それがいけなかった。
相手は渾身の体当たりを僕の顔面に喰らわせた。
バランスを崩した僕は、ちょうどいい位置にあった小机にしたたかに頭をぶつけた。
目の前が真っ暗になるのを確認する間もなく、僕は気絶してしまった。
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