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「雅弘。……はい、ラブラブハートパン」 我が校に伝わる伝説のパン。 恋人と二人で食べると永遠に結ばれると言われる、伝説のパン。 葉子は複雑な表情だった。 いつもと違い、何か言いたそうに少し立ち止まって。 「……」 涙を浮かべて教室に戻ろうとした。 「待ってくれ。僕は君と、葉子とこのパンを食べたいんだ!」 僕は葉子の腕を掴み、大声で告白した。 葉子は泣きながらそれに応えてくれて、拍手の嵐が僕らを包んで。 結局、何故葉子が僕の『食べたいパン』だけ予知出来るのか、恋人同士になった今でも分からないまま。 だけどもう、そんな細かい事はどうだって良いんだ。 僕らはとっても幸せなんだから、それで良いじゃないか。
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