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『こいつらがいなければーーこいつらがいなくなれば、私は自由になれるってのにーー』
真由美は、安アパートの部屋から外に飛び出した。
その際、娘を突き飛ばし、娘が壁に頭をぶつけた音がしたが、そんなことはかまわなかった。
真由美は焦っていた。
若さは日々失われていく。
自由に好き勝手に生きるには、お金がいる。
しかし、パートを次々とクビになり、生活費すら工面できなくなった今、選ぶ道は二つしかなかった。
子供らのために醜く老いていくか
子供らを捨てて、やり直すか
真由美は、後者を選んだ。
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