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まさか…と思って、リビングに急ぐ。
「おかえりなさい、ユウさん」
「あ…ただいま…」
「ご飯用意しますね」
まさか、は的中した。
いつも通りの俺の部屋の中に、いつもと違うモノが1つ。
「なんでいるんだよ」
部屋の中でせっせと動く、秋保。
いつもはいるはずもない。
でも、まるでいつも通りだと言わんばかりに俺の部屋に馴染んでいる。
「あ、兄貴に家教えてもらって」
「そうじゃなくてっ」
「鍵も兄貴から」
「それはそれで問題だけど…なんで俺の部屋にいるのか聞いてんだよっ」
持っていた荷物を荒々しく床に落とす。
部屋を知ってるのも、鍵を持ってるのも、まぁ海斗がいるから仕方ない。
問題は、なんで今秋保が当然のように部屋に居座っているのかという話だ。
しかも夜遅くまで。
「あ、言うのが先でしたね」
秋保は俺に向き直ると、軽く頭を下げた。
「今日からお世話になります」
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