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見慣れない制服
でも見慣れた顔
「ユウさん」
変わらない、物腰の柔らかな笑い方と喋り方。
俺のよく知っている人
「秋保…」
都築秋保
俺の親友の弟その人だった。
「お久しぶりです」
「あ、ああ」
柔らかい笑みを向けられて、少し動揺する。
久しぶり。
最後に秋保と会ったのは、確か秋保が高校に入る前。
今確か高3だから、3年前くらいか。
見た瞬間、秋保だとはちょっと分からなかった。
最後に見たときより、すっかり変わっていたから。
背はこんなに高くなかったし、声ももうちょっと高かった記憶がある。
それに昔は、俺のことを「祐樹くん」って呼んでたからな。
すっかり、大人っぽくなってしまった。
それでも面影が残る、頭一つ分は高い秋保を見上げる。
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