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「久しぶりだな。どうしたんだよ?」
「ユウさんに話があって」
俺は秋保が幼い頃から知っている。
昔からそうだけど、秋保は感情を表情に出すことが少ない。
無表情、とまではいかないけれど、表情から読み取れることがあまりないんだ。
話がある
そう言って頭を掻いた秋保の表情は、やっぱりなにを考えてるか分からなかった。
どうせ勉強についていけなくなって、それを海斗にばれたくなかったから俺のとこに来た、ってとこだろう。
そういえば中学のときも国語でひーひー言ってたっけ。
まぁ秋保の頼みなら教えてやろうかな。
「なんだ?どこか分からないとこがあるのか?」
「惚れました」
「……………」
笑顔が固まったのが、自分でもわかった。
勉強についていけなくなって
俺のとこに来た
俺の考えは、またしても裏切られた。
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