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人間は本当にびっくりすると、何もかもが停止してしまうらしい。
行動も思考も、すべてがストップしてしまった。
「ユウさんに惚れました」
真っ直ぐ目を見据えてくる秋保に対して、俺は激しく動揺した。
惚れました、という言葉は、つまり、俺のことが、
………好き?
「あ…はは…新しい冗談か?エイプリルフールはこの前終わったばっかりだぞ?」
「いえ、告白をしたんです」
ずいっと一歩近づいてきた秋保は、俺の腕を掴んだ。
「本気です」
「………っ」
顔が近い顔がっ!!!!
整った顔の秋保のドアップは…心臓に悪い。
…けど、男なのに一瞬どきっとしてしまった自分が腹立たしい。
『後藤先生、高橋先生が呼んでますが…』
「やばっ」
俺を呼ぶ声が段々近づいてくる。
こんな場面を見られたら……
「おいっ外行くぞ」
慌てて手を振り払……うことが出来なかった。
(こいつ力強いんだよ…!)
仕方なく、半ば秋保を押し出すような形で外に出た。
職員室の窓から見られないように木の影に隠れる。
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