*2章*

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もう…こんなことされたら、また自惚れちゃうよ。 「じゃ、じゃあ!私も一緒に行くっ!後ろに乗せてっ」 ーあ、またあの顔。 「昨日も言ったろ?俺、後ろに人乗せられねーんだよ」 じゃ、とまたすぐにいつもの笑顔に戻ると、彼は自転車をこぎだした。 遠ざかっていく彼の姿を見つめながら、私は疑問に思っていた。 ー乗せられない?乗せない、じゃなくて? 中学の時、よく友達と2ケツをして遊んでいたと、聞いたことがあるから、乗せられない訳じゃないはず。 何でなの? 何で…そんな顔をするの? 彼が居なくなった後の静まった場所で、彼が去ったあとを見つめていた。
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