「初事件」

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待て、なんだこの状況は。 う、後ろに誰がいるんだ? というか、やっぱこの硬いのって…。 「あー!!真崎さん銃を向けちゃダメですよ!」 やっぱり銃か!!! け、警察署ないで俺殺されかけてるのか?! 「おぅ佳奈ちゃん。いたのか」 「いたのかじゃないです!!早く銃しまってください!その人今日から配属の太陽です」 佳奈先輩が言うと、首筋の冷たさがなくなった。 どうやら銃は下ろされたらしい。 …殺されなくてよかった。 「太陽大丈夫?」 「はは…なんとか」 「真崎さん、銃はちゃんと保管庫にしまってきてくださいよ?銃がなくなってたら事件になりますから」 「へいへい」 そう言うと、まざきさん?は部屋をスタスタと出ていった。 多分、佳奈先輩が言ってた保管庫とやらの所に行ったのだろう。 「ごめんね太陽。さっきのは真崎信一さん。銃とか向けてくるけど多分撃たないと思うから安心してね」 「多分なんですね…」 いつか殺されるかもしれないという不安ができた。 彼だけは怒らせてはならないな。 「たぶんそろそろあと二人来るよ」 「二人?」 「そ。笹上晃平くんと麻倉夢都さん。二人とも優しいよ」 ささがみさんとあさくらさんね。 真崎さんみたいに怖い人じゃないといいが。 そう思ってたとき、ドアの方から話し声が聞こえてきた。 「あ、きたきた。晃平くん、麻倉さん!新人きましたよ」 「おーう、どんなやつだ」 がちゃっと開けられたドアの向こうには三十歳くらいの男性が立っている。 肩にジャケットを掛けなんか雰囲気がかっこいい。 「太陽、麻倉さんだよ」 「あ、えと太陽です!今日からお願いします!!」 素早くドアの近くまで行き頭を下げる。 すると頭に何かが乗った。 …まさかこのパターン。 ちょっと警戒したが、今頭にあるのは俺が予想したのと違ったみたいだ。 「俺は麻倉夢都だ。よろしくな、太陽」 がしゅがしゅと荒っぽく頭をなでられる。 頭の上のは手だった、よかった。 それにしても麻倉さんってかっこいい。 …そういえば、佳奈先輩もう一人、えーと笹上さんがいるとかいってなかったっけ。 …
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