――あの曇りの日から――

5/6

149人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
花屋の前に太陽光を跳ね返して輝く銀髪を発見。アイツだ……。 近づいて話しかける前にその銀髪の男は振り向いた。 男――晴れているために夢よりもさらに輝く銀髪。目は見たこともない金色。髪と同様に輝いている。 そして容姿は……男の目から見ても文句のつけようのないほどの美貌だ。 今も花屋の女性たちが仕事をしながらも男をチラチラと見ている。 「どうしたトレス標的は見つかったのか?」 「聞くまでもないか……。お前が見つけたかもと思った俺がバカだったよ……」 ある程度予想していた結果。 「てか、お前探してた?」 「探すのはお前の役目だ」 「んな役割分担はしてねえっ!お前も探せ、銀髪金眼無駄に美形=ザザ・フォル・ジ・カルカ・タレクシオォォォ!!」 トレス絶叫。 「ってか名前が長げぇ」 「何度も言うが我が一族は、自分の名前・母の名前・父の名前・祖父の名前・友の名前で皆名前が構成されている。だからこれが普通なのだ。何度聞いたらわかる馬鹿者が!」 「じゃあお前の親父の名前何なんだ。なんだよ『ジ』って!」 「五月蝿い……」 「なんだよ『ジ』って~」 「五月蝿いと言っている!」 「ジ~」 「……!!ええい、探せば良いのだろう探せば!」
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加