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とある一室に2人の男女。
女は興奮冷めやらぬ様子で、目の前でノートパソコンを無心にいじっている男に食らいつく勢いで、何か話しかけている。
「―――でね!」
「へぇ~良かったな、」
「いやいやいや!まだ何も言ってないし始まっちゃあいないからね?ちゃんと聞いてよ!」
「あっヤベ、打ち間違えた」
素早くカチャカチャっと打ち直した男は欠伸(アクビ)を、ひとつ。
そして、やっとコチラに顔を向けたと思えば、お前のせいで間違えたじゃねーかコラ、という顔をしている。
「自業自得ではないか、ワトソン君」
「誰かー変な奴が俺の目の前にいるー」
「ちょっ!ツッコミは?」
「忙しい」
女は続けてドコがだよ!っと反論しようとしたが部屋の中に漂う微妙な空気に気付いたのか、すんなりと諦め溜め息。
そして近くのベッドに寄りかかり持参したのであろう炭酸ジュースを飲みだす。
「…」
幸せだぁ~
「顔に出てんぞー」
「……」
ふんっ
しあ~わせ!
「そんなもんで幸せなんて本当に幸せな奴だな、お前」
誰か、こいつを殴ってくれないか?
炭酸をバカにする奴は私の敵なんだから!
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