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バシバシ!
「!イテ」
「ふはははは!ざまーみろ!」
皆!やってやったぞ!
勇者は近くで拾った季節外れの団扇(ウチワ)で魔王サターンを殴ってやったぜ!
「急に元気になりやがって…悪人顔」
「ムキーー!」
奴はまだ瀕死の状態ではないらしい……っ!
ふっ不覚!
どうやら…必殺技を出さなきゃ勝てないようだ…
よしっ!くらっ
「…で?」
「えええー?」
つい思っていた事が口から出てしまった。
「えええ?相変わらず変な奴」
「っうるさいな!」
「ハハ、だから聞いてやるから話せよ。一言で」
「ムリ!」
「さいで。」
バカにしたような…いや!バカにしてる顔を惜し気もなく私に向けてきた魔王サターン!
くっくそう!悔しいー!
「~~!だから好きな人が出来たんだってば!」
「…ほー」
「違うクラスだからさ~あんまり話せないってか話したことないんだけどさ!」
「へー」
「あーと最近ね、階段とかで鉢合わせになった時に目が合ってキュン!ってなるんだけど、気付いてしまったんだよ~全然お互い目をそらさないの!」
「うん」
「これって……もしかしたらもしかしたりする?」
「……それだけ?」
「え?」
意味が分からなくて首をかしげたら奴は眉間にシワを寄せてボソリと言った。
「いや、メールとか電話してないの?」
メール?電話?
「ま、まだ…」
そういえば浮かれてて、アドレス聞いてないや。
「…お前さんは小二か?」
「しょっ小二?!中二とかじゃなくて?!」
「……」
「……」
「はぁ~前途多難だな、…っよ!」
奴は苦笑して勢いよく立ち上がったかと思えば、私の頭をポンっと軽く叩きトイレ、と言って出て行ってしまった。
「…」
「前途多難…小二の恋愛感…中二ではなく、いやいやいやっ私は高一なんだけども」
恋愛って…難しいっ
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