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それから俺はずっと莉緒と再び話せる機会が来るのを待った
莉緒に近づけるなら、何回でも担任に荷物運びを任されても良いと思った
しかし――――――
その機会はいくら待っても訪れなかった
休み時間の廊下や、集会があるときの体育館で見かけられた日はラッキーぐらいの毎日だった
そしてとうとう…………
「と、トシぃ!1年終わっちまったよおぅぅぅ(泣)」
『…………てゆーかまだ好きだったんだ(笑)』
「トシぃぃぃぃ(号泣)」
『大丈夫、卒業までまだ2年あるんだし、な?』
「どうしよう、このまま何もできずに高校生活終わっちまったら……」
『…………そうならないために頑張れや、俺にはそれぐらいしか言えねぇよ』
そう言ってトシは俺の肩にポンと手を置いた
(俺はどうしたら良いんだ…勉強もそれなりに頑張ってるし日頃の行いだって悪くないはず…神様……どうか2年では莉緒と親しくなれる機会を与えてください…………っ)
俺は切実に神に祈っていた
『…あ。』
「ん?なんだよトシ、なんか良い方法思いついた?」
『いや、良い方法っつうかよ』
「うん」
『運が良ければ2年で莉緒ちゃんと同じクラスになれるかもしれないんじゃね?』
「同じクラス…………?」
俺はトシの思いがけない一言に一瞬固まってしまった
「それだぁ!!!」
その瞬間俺は教室の出口に向かって走り出していた
『あ、おい、どこ行くんだよ!?』
「職員室!」
『………職員室?』
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