0弾~突き付けられた拳銃~

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 そして吸血鬼であり吸血姫(ブラッドドレイン)、魔女でありオカルト退治専門会社(アウグスティヌス)の社長である。  今日マキナがこの場所に赴いたのは、べつに心霊スポット巡りではない。オカルト退治を生業とする彼女にとって、幽霊などそこら辺に群れる不良と大した差ではない。  なら何故。  その答えは彼女の手の中にある。  マキナの手には、一通の手紙が握り潰されていた。  それにはこの場と時刻、そして簡潔に『ここに来い』という文が書かれているだけで、相手は不明。今朝学園に来てみれば靴箱の中に入っていたのだ。  少し考えればただの悪戯。それか悪意ある罠でしかない。  しかしマキナは来た。考え無しというわけではない。単に悪戯でも罠でもないと察しただけだ。  (学園に悪戯で私を吸血姫なんて呼ぶ奴はいないからな)  マキナを吸血姫と呼ぶという事はつまり、呼び出し人は一般人ではなく非日常の世界に身を染める者であり、彼女がどういう人間か知っている者という事だ。  そして、ここまで来るのに罠らしい罠はない。山に入った時点で人目がないにも拘わらずだ。  故にここに着いた時には疑念は取り捨てていた。
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