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「いや、この時間だともうこんばんはかな?とにかく初めましてだね」
「……お前が私を呼んだのか?」
「その通り」男は満足げに微笑みながら「今日は君に話があってね。まあ正確に言うと話とは少し違うんだが」
マキナ不機嫌そうに顔を顰めた。男の態度が気に入らないのともう一つ。
「私は名乗りもしない礼儀知らずの話は聞かん」
「おっと、これは失礼。そういえば自己紹介がまだだったね」
肩を竦め男は言う。そのわざとらしい態度もまたマキナの感に障った。
「僕の名は姫川七夜(ひめかわ ななや)。この町のオカルト退治専門会社の社長だよ」
銀の弾丸。その名前自体には聞き覚えがなかったが、どことなく嫌なイメージがある。
少し考えて、思い出す。吸血鬼や人狼は銀弾が弱点だという事を。
(そういえば、父上も最期は銀弾に……)
未だ脳裏に焼き付いた二人目の父の死を思い出し、マキナは思わず首を振った。
「……で、その《銀の弾丸》とやらが私に何の用だ?生憎と私の方はお前らの事など知らなかったんだが」
「ハハ、これでもこちらはそちらと違って、約百年前からこの町に貢献してきた歴史ある会社なんだがね」
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