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まあ良いけどね、と付け足してから七夜は続ける。
「さて、今言ったように僕達は古くからこの町に貢献してきた会社だ。当然君達とはキャリアが違う。そしてこの町の事は僕達だけで担当できると思っている」
「なるほど、つまり私達は邪魔だから、この町から出てけ。そう言いたいわけだ」
良く見えないが、暗闇の中の七夜が笑ったような気がした。
「その通り。理解が早くて助かるよ吸血姫」
この町は《銀の弾丸》が昔から守ってきた。そこに《アウグスティヌス》がポンと出てきて彼らの仕事を横取りしている。
仕事を盗られるのは彼らからしたら面白い話ではない。なら新参者は出ていってもらおう。だからこそこの会談か。
「どうかな?出ていってもらえるかな?」
改めて七夜はマキナに訊いた。
だが、改められたところでマキナの出す答えは最初から最後までたった一つだ。
「当然断る」
「だろうね……」
ため息と一緒に七夜は呟いた。
「まあこの展開は予想していたよ。予想していたというより、予見、予知、知っていた、まあどれでも良いけど。君達からしたら何のメリットもないお引っ越しを、快く了承してくれるわけないものね」
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