兎田もんめ

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 幻想郷を恐怖の底に叩き付けんと、夜な夜な策動する妖怪あり。  腕に光るは無数の目玉。切り裂くは剣の重なる肩の簑。麗しい貌に潜むは禍を生む心。  何故に妖怪は悪逆非道を行くのか。それは、それこそが妖怪の本分だからだ。そうでなくては何だと言うのか。  夜を闊歩せん。  呪いを蒔かん。  混乱こそ、我らが本分。  妖怪は百目鬼。  兎田もんめと高らかに、  夜の帳に吠えにけり。
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