夢幻を語るは活弁士

兎田もんめ

　今の幻想郷でこいつほど真面目に妖怪やってるのはそういないんじゃないか？地底の奴らも好き勝手やってるが、それはどっちかつうと快楽主義を感じるぜ。

　幻想郷の妖怪もそりゃやるこたやってるがそれもお遊びみたいなもんで済ましちまってるし、なんつうかやっぱりのほほんと生きてるわけなんだが、兎田もんめは違う。

　兎田はどこまでも妖怪なんだ。お遊びで済ませるなんて有り得ない。殺さないなんて有り得ない。恐怖を与え、絶望を撒き散らし、混乱を巻き起こす。それこそ妖怪の本分。

　だけどまあ安心しな。だからってこいつも馬鹿じゃない。幻想郷のルールは守るさ。その隙間を潜りはするがな。

　あんたが人里のもんだったら安心だ。だが外来人だってんなら気をつけた方がいい。外来人は外から来たから外来人。幻想郷のルールに守られたりはしねぇんだ。