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彼が五歳になると、屋敷内をところ狭しと歩き回り、興味ある物全て、手にしないと気が済まない、しかし、何を手にするかわからないだけに、片時も眼が離せない、だが彼が八才になってからというもの、何をどう悪戯しても、構って貰えなくなっていた。母もその侍女も生まれた弟を可愛いがって離さない、彼は急に淋しさと孤独を感じ、どうしたら自分に眼を向けてくれるか、彼なりに考え、出した答えはやはり悪戯であった。侍女の部屋に芋虫等を投げ入れたり、彼女達の大事な物を隠す等、いろんな悪戯をする。只弟には今だ手を出していなかった。
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