『本日より新人剣士になっていく予定でした①』

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まぁ軍は移籍しなかったんで変な目で見られますが苗木植林はたのしいですよ? 「は!まさかお前‥」 手で植える大切さとか体力的とか言われても適材適所ですよね。 じゃ。 座標固定っと。 「ちょ、カンスト魔職だった事があるなら俺だってツレテカエッテヘルプミ━━━━━!」 『‥という事がありまして苗木将軍が負傷しました。』 さくさくと耕された土の上で負傷した苗木を二人でさくさく埋めながら事の顛末を語っていた。 「君、相変わらず鬼だね。」 かの人はため息一つと苦笑い 『‥自分は鬼弓士になった事が無いので人違いですよ閣下』 かの人はさらりと無表情 「‥いや、うん。」 困った顔しながら鍬に顎を預けながらぽりぽりと頬をかく人 「でもほら、水分を減らした苗木が甘く濃くなるかの実験用ってくらい教えてあげとかないと彼、きっと今死に物狂いだよ?」 それでも当の本人は無表情。 『たまたまです。閣下の気紛れの━━アレですよ』 ぴくりと眉が動く。 彼女は心痛な物言いのくせに言葉に疎い。 どっちが仮面なんだか解んないくらい表情も変わらないくせに言葉で去勢を張ろうとして表情が動く。 「アレってなんだい?」 それが堪らなく楽しいらしくかの人はニンマリ笑って言葉を促す。 『‥アレです。だって人間は自分達程長生きしないじゃないですか。まぁ自分も閣下程長生きじゃないですけど。』 眉間に皺をよせ背を向け話を反らそうとする子 「まぁ僕が長生きっていう言い方でいいのかも微妙だけどね」 またため息つきながら耳を傾ける。こういう時のこの子は追い詰められて本音を言ってくれるから。 ‥僕の変わりに、 「‥なのに葡萄を枯らしたんです。閣下が‥ネクロスに与えられた一角で‥自分の葡萄を満足に育てられなかったじゃなく、閣下の兵士の葡萄を!」 眉間に皺がよる。ああ、この子のこんな表情も久しぶりだなぁ‥なぁんて言ったら吹っ飛ばされそうだから内緒だけどそっか、そんな事で‥ 「うん、そうだけど、ほら、もうあの木は限界だったからなぁ」 君の魔法で長持ちさせてただけでもはや身は食べられたもんじゃなかったしなぁ なぁんて続けてやれば更に眉間による皺
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