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『‥自分の力が至りませんで申し訳ありません‥とか言えばいいんでしょうがあの木は実を食べる為のものじゃなくなってたから関係無いですよね‥あれはその‥』
ブツブツといいわけするように難しい顔をしてその先を言いたくないかのようにする子の変わりに僕がいってあげよう。
せめてもの感謝とあまたある真実を‥
「そうだね。でも僕はワインさえあればいいんだ。特にあの木の芳醇な味は今でも覚えている。だから新しい苗を植えると考えれば惜しくはないよ。」
そう、これは本当。あの苗棚のワインは香り高かった‥僕が教え、その通りにしてくれたハズなのに変わった香りをだすワイン‥うんワイン飲みたくなってきたな。
『‥‥育て手に‥左右される味だったものでもですか?』
僕がワインを準備してテイスティングする間たっぷり悩んで悩んででた言葉がそれとはちょっとなぁ。だから君の作る苗棚の葡萄は甘いんだろうね。
「だって自分じゃ抜けないだろう?うん、去年の出来は上々だ♪」
美しい血の色のワイン。やっぱりワインは赤に限るねぇ。まぁ白ものむけどまるでその子達の血‥
『それは、閣下は本当に葡萄というかワインが絡むと駄目人間‥駄目不死者になるからじゃないですか』
ははは、いってくれる。
だって僕にはコレしかないからねぇ。
「というかもうあの味は戻ってこないし、だからただあるだけじゃぁ可哀相なもんだよ。」
だったら新しい子を迎えてあげないとね。
『閣下って微妙に嘘吐きですよね。‥あとワインバカ。』
君がため息一つ無表情に戻ってしまったから僕ものってあげよう。
「ちょ、ワインバカとはなんだい!僕はワイン愛好家なだけだよ?」
『ワインオタクでした。』
「えええ!それ意味がかなり違うだろう?」
『あ‥ワイン瓶倒れた。』
「イヤアアアア!」
酔った幻のように消えていく君たちが熟成せんことを。
『閣下、地面舐めるか悩むのやめて下さい。』
「だってここセーフ地帯ゴフッ!!」
『すいません苗木将軍が攻撃を繰り出しました。』
「ちょ、わざとだ!絶対わざと!!」
まぁ僕は熟成されてようがなんだろうが美味しく頂くだけで酔わないけどね。
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