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「それは承知の上だ。」
「そう。じゃあ、あたしは遺体を拾って埋葬あげる。」
「普通ならここで止めたり、あたしも行く!とかいうだろ」
「何?あたしがそんな無駄なこというわけないじゃない。」
「…つくづくお前って合理的主義者だな」
「リスクの高い賭けはしない質なの。遺体を拾ってあげるだけでも感謝しなさいよ?晒し首になるのはごめんでしょ?」
「晒し首だけはなりたくないな」
「そういうことでよろしくね。健闘を祈るわ」
「ありがとうよ」
※
まさか…こうもあっさり捕まるとは思わなかった…。
「さて、どうしよっかなあ?」
護衛に捕まるのはまだいい。
でもよりによって暗殺する本人に捕まるとはなんたる屈辱…!
「屈辱って顔してる。分かりやすいなあ…。君の屈辱に歪んだ顔好きだよ。」と声をたてて笑う。
こんの性悪!!
「さっきのってあれはどういうことだ?」
「さっきのって?」と男が首を傾げる。
なまじ美形なので様になっていて、更に腹が立つ。
改めてみると、お前は女か?というほどの美貌を持っていた。
流れるような金髪は透き通っていて、翡翠色の青緑の瞳は宝石のように輝いている。
鼻筋が高く、唇は形が良く美しい。
男のくせに…羨ましい…。
「さっきも言ったけど、俺は王位継承者候補に入ってる。…つまりは王位につく可能性があるってことだ。それに、取り入ろうとするやつがやたらと見合い話薦めて来たりするのが鬱陶しいからお前に偽の花嫁として嫁いでもらうよ。」
「はっ命知らずだな。暗殺者に花嫁役やらせるのか?」
「心配しなくてもお前にやられるヘマはしない」
「くっそ〓!絶対に殺す!」
「やれるもんならやってみな?」
「覚えてろよ!」
こうして、私と腹黒公爵との戦いが始まったー。
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