幼なじみ

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「あれ?健ちゃん!おはよう!今日は剣道の朝練無いんだ?」 「おはよ、京子。昨日大会だったから」 7時半過ぎ。 登校するには少し早めの玄関前で、私、佐田京子とお向かいさんの小山健はばったり会った。 「そっか!そうだったね。お疲れ様!どうだった?」 「個人優勝の団体準優勝。小さい大会だったしね」 「すごい!さすが健ちゃん!」 さりげなく会話をつないで、さりげなく隣に行き、さりげなく一緒に歩く。 この一連の動作を不自然なく見せるために、今日はアラームをいつもより30分早く鳴らして起きた。 新聞で大会の結果を見、肩まで伸びた髪をまとめるからまとめないかで迷いながら結局まとめずに、準備を早く済ませて玄関で耳を澄まし、待つ。 そしてお向かいから玄関を開ける音がしたら、私も玄関を開ける。
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