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「キモ」
「……え?」
……聞き間違いかな、なんか、その爽やかな顔からは想像できない言葉が……
「え?お、俺じゃないよ。ほら」
後ろ後ろ、と健ちゃんが指をさす。
多分、疑うような目で健ちゃんを見てたんだろう。
少したじろいだ健ちゃんが指さす方向を見る。
そこには……
「なぁ~にが朝日が眩しいね~だ。キモいんだよ」
「……寿……」
指さす先、そこには両手をズボンのポケットに入れてダルそうに歩く人物がいた。
「朝からそんなキモいと1日の終わりにはどうなってんだか」
「……寿……、あんたね!」
その人物とは篠原寿、私の隣の家に住む私たちと同じ高校に通う1年生だ。
「あん?」
「寿!からかうのもいい加減に……っっ!」
……健ちゃんが隣で見てる…っ!!
「寿、からかうのはいい加減にしときなよ?」
急に固まった私を見てクスッと笑った健ちゃんは、寿のほうを見ながらそう言った。
「……ふん」
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