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"外国人"
その言葉を聞いた瞬間、あたしの脳にあの人の顔が思い浮かんだ。
10年間も想い続けた人…
…日本に来るわけないじゃん…
あたしは反射的に俯いた。
「…優愛?またあの人のこと考えてるの…?」
気まずそうに小さい声で涼葉が尋ねた。
「……。」
あたしは何も答えられなかった。
だって図星だから。
「…ねぇ優愛!いつまであの人のこと考えてるの!?何度も言うけど優愛がどんなにあの人のことを想っても無理なの!!」
語尾を荒げて涼葉は言った。
「ワカッテルヨ…」
そんなことくらいあたしが一番よくわかってる。
どんなに想っても
どんなに願っても
あの人には届かないくらいよくわかってる。
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