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「『枕輝』って名前珍しいね! 二文字! 私も意外と珍しいとか言われるけどねー」
「……確かに『咸』って名前珍しいよな。どういう意味?」
「わかんない。親に聞いたことないぜ」
「ふーん」
枕はクラスの印象など気にせず彼女、白傘と話す。枕は中学生の頃は誰とでも仲良く話せる大柄な性格だった。もちろん周囲から孤立している人とも。高校に入ってもそれは同じだ。枕は今まで通り、気兼ねなく誰とでも話す。
枕は自分から話さないだけである。
「あ、そろそろ私帰るぜ。枕くんじゃあね!」
「……ん? なんだって?」
「じゃあね、って!」
「……あー……悪い。し、白傘さん。俺さ、右耳ぶっ壊れてるんだわ」
枕は申し訳ないように右耳の耳たぶを引っ張る
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