沙羅の木

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学校から京子の家までの道のりは、私が転校してから毎日通っていた道を辿っていきました。 この一ヶ月以上、同じ道を通っていたはずなのに、私は一度もこの通学路で京子を見かけていませんでした。 「浅羽さん、いつも一人でいることが多いよね……」 無言が気まずくなった幸子が話しかけてきました。 「最初の日に、ミヤ達が意地悪なことを言ってたでしょ? ミヤね、浅羽さんに嫉妬って言うのかなぁ…… 自分のプライドを傷つけられた気がしたんだよね、きっと」 プライド?? 意味が分かりませんでした。 「どういう意味ですか? 私、神田さんの気に触るようなことを言ってしまいましたか?? 」 正直下品な人達とは思っても、口に出したりしていなかったはずです。 それとも、そう思った私の気持ちが読み取られたのでしょうか。 だとしたら、神田さんはとても感受性が強い方なのね…… そんなことを考えていると、 幸子は、言い辛そうに口篭りながらも、言い出してしまった手前仕方ないと言うように話を継ぎました。 「つまりね…… 浅羽さんが転校してくるまでは、ミヤがクラスの中で一番のお嬢様だったわけよ」
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