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あの日から二週間が経ちました。
あれだけ騒いでいたワイドショーも、「桜木家の悲劇」は全く報道されなくなり、町にもやっと平穏な日々が戻ってきたのだと誰もが思っていました。
「桜木のやつ、まだ学校出てこないな」
その日の学校帰り、私はアツシ、ミヤ、幸子と一緒でした。
アツシの言葉に、ミヤが小首を傾げました。
「ねぇ、アツシはどう思う?
京子はさ、やっぱり狂っちゃってたよね? 」
ミヤは、あの日の京子の錯乱振りを見て、学校でも京子は狂っていたと主張していたのです。
「誰だって、あんなもの見たら・・・・・・
しかも、自分の親だぜ。
あんな風になっちゃうのも無理はないよな」
「へぇ!
京子、やっぱり狂っちゃったんだ! 」
幸子は何か楽しそうにそう言うので、私もアツシもムッとした表情になりました。
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