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珍しく、彼氏と喧嘩した。原因は裕翔くんにべったりな圭人を見て、僕が嫉妬した‥ただ、それだけのこと。
「侑李‥」
『‥‥裕翔くんと付き合えば?』
「なに言って、」
『もう!なんで気付かないの?!圭人なんか‥だいっきらい!』
涙を流しながら、楽屋を飛び出した。近くの公園へ入って、ベンチに座る。
『だいっきらいだなんて‥、思ってない、のにぃっ』
自分の言ってしまった言葉への怒りと罪悪感が一気に襲ってくる。涙は止まらず、ただただ泣いた。
気付けば、外は真っ暗で。目の前には小さな男の子がいた。
「お兄ちゃん、なんで泣いてるの?」
『え‥』
悲しげな表情で僕を見る男の子。手には飴が握られていた。
「これ、あげる!早く元気になってね」
『ありがとう』
にっこり笑った男の子につられ、僕までにっこり笑った。
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