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次の日は『ピカル』の収録だった。
前室で休憩をとっているとき、徳井が声をかけてきた。
「手、まだ痛むか?」
「まあ、少しだけな。昨日よりは全然いいよ。」
傷自体はそんなに深くなかったし、痛みもだいぶ引いたため、今は包帯を取り絆創膏だけにしている。
この方がケガも目立たないからいいだろう。
「そうか。そりゃよかった。・・・ところで、昨日は家に女を連れ込んだりしなかっただろうな?」
「お前しつけーよ。大丈夫だよ。女は連れ込んでねぇから。」
「女は?ってことは男を連れ込んだのか?」
「“連れ込んだ”って言い方止めろよ。違えよ。祐さんが家にのみにきたの。」
「お前らなぁ、いくらラブラブだからって、ケガしてるときくらいいいだろって。」
「うっせーな。ほっとけよ。」
徳井は俺と祐さんが付き合っているのを知っている。
というより、祐さんに煮え切らなかった俺に喝をいれてくれたのは、他でもないこの徳井なのだ。
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