痛みと嘘

3/8
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
それは、『ショーバト』の収録中に起きた。 俺ら平成ノブシコブシは、スタジオで、2分間でマグロの解体ショーをすることになっていた。 おれがマグロを解体し、徳井がその隣で歌うというものだった。 本音を言うと、歌うだけの徳井に必要性はないのだが、『ショーバト』は音楽があることが条件だったため、徳井に歌わせることになった。 練習は何度も重ねたが、マグロというのはとてもとても扱いづらい。 すぐに握力がなくなってしまうほど力がいるのだ。 何とか解体はできるようになったが、“2分間で”というのは正直厳しいもので、練習では1、2回しか成功していない。 そのため、スタンバイのときから、俺の心臓はバクバクだった。 .
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!