痛みと嘘

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何とか解体を終え、痛む左手をぐっと握る。 解体しているマグロを審査員の方々が食べているとき、 「お前、左手・・・。」 と徳井が小声で耳打ちしてきた。 「大丈夫だ。」 俺はそれだけ答え、口を閉ざした。 審査員の「すっごくおいしいですよ。」の言葉に、俺は 「ありがとうございます!!」 と、左手の痛みを抑えるかのように、いつも以上に声を張り上げて答えた。 .
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