8人が本棚に入れています
本棚に追加
何とか解体を終え、痛む左手をぐっと握る。
解体しているマグロを審査員の方々が食べているとき、
「お前、左手・・・。」
と徳井が小声で耳打ちしてきた。
「大丈夫だ。」
俺はそれだけ答え、口を閉ざした。
審査員の「すっごくおいしいですよ。」の言葉に、俺は
「ありがとうございます!!」
と、左手の痛みを抑えるかのように、いつも以上に声を張り上げて答えた。
.
最初のコメントを投稿しよう!