痛みと嘘

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そして、俺らの出番が終わり、急いで楽屋に戻ってきて今に至る。 「・・・はい、終わり。」 「サンキューな。」 徳井に包帯を巻いてもらった左手は、全く痛みなど引かず、ジンジンしている。 痛ってぇ… こりゃ、今日1日左手は使えねえな。 「吉村。」 「ん?」 「今、マネージャーと話したんだけど。お前、その左手じゃ今日は仕事できないだろうから、もう帰れって。」 「・・・そうか、分かった。わりぃな。」 「ほんっといい迷惑だよ。帰ってちゃんと安静にしてろよ。早く仕事が終わったからって、家に女連れ込んだりすんじゃねーぞ。」 「しねーよ、バーカ。」 俺の返事を聞いて、徳井はフッと笑い、スタジオに戻っていった。 .
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