The last present

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「いいんや。 確かまだ出してないはず。 コウジさんの誕生日がさ、 6月の・・後半だっけかな? その日に提出するとか。」 「あれ? 事務所には言ってなかったの?」 「いや、言ってた。 言わなきゃやっぱまずいっしょ? でも、いまさらになって コウジさんのほうの 事務所がねぇ。。」 まぁ、コウジは現在、 売れっ子のギタリストだし。 バンド活動のほうを考えると、 事務所的にストップがかかっても おかしくないかな。 「大変だよね、 この商売だと。」 まぁあたしには。 結婚なんて 縁もゆかりもない話だから かなり人ごとだけど。 「コウジさんでさえ、 そんな風に大変なんだから 歌姫がアキヒデさんと結婚するのも・・ かなりのハードルがありそう。」 「え!? 藍さんたち、結婚するの!?」 ・・おいおい。 「知らないわよ。 でも、良い年齢だし。 このままを続けるなら 結婚しかないじゃん。」 あ、そっか、 なんてアツキは間抜けな声を出した。 はぁと思わず呆れてしまう とりあえずのどが渇いたので 二人でリビングに戻った。 アツキは勝手に DVDを入れて、 『フレーズ』を見始めた。 おいおい、 ソレ全部見るのに どれだけ時間がかかると思ってるの? 突っ込もうかと思ったけど やめておいた。 だって瞳をキラキラさせて 楽しそうに見てるんだもん。 本当に。 初めてあった17のころから 彼は何も変わらない。 無邪気な笑顔も 意志のともった瞳も。 ・・あっ君と一緒にいると 不思議と癒される。 あたしは、いつの間にか。 ひとり、眠りに落ちていた。
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