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日本に戻る、
そのことを1か月ほど前、彼に告げた。
彼は躊躇することなく、
「うちに来なよ、」、そういった。
嬉しい反面、少し不安だった。
だって。
一緒に暮らしていた時から
8年も月日が流れてる。
・・この電話は。
ためし、だったかもしれない。
「・・あ、そっか。
わかった。」
どこかホテル探そう・・
うちに来なよっていったのは
きっとその時の気分。
いざってなると
面倒になる。
パパもそういう人だし・・
『あ、そうだ。
部屋そのままにしてあるから。
心配しないでね。
俺もなるべく早く帰るようにする。
気を付けて帰れよ。
部屋の暗証番号忘れてない？』
え・・？
「だ、大丈夫。」
そ、それならよかった。
そういって。
ソラは電話を切った。
・・
『部屋そのままにしてある』
待っててくれたの？
あたしがいつ帰ってきても
良いように？
・・真実はわかんない。
でも。
嬉しかったのは本当。
よし。
とりあえず女の運転手の
タクシーを探そう。
なかったら。
大人しく地下鉄で帰ろう。
「ねぇねぇ。」
はい？
あたしが顔をあげると、
いかにも遊んでます！って
風貌の二人組が視界に入った。
・・嫌な記憶がよみがえる。
「ひょ～超かわいいじゃん！
ねぇ暇？今から遊びいかな・・。」
彼たちが言い終わる前に
あたしはすっとその場から逃げだす。
・・いや、怖い・・
「ちょ、つれないっしょ、
待って・・。」
彼が数歩歩いたあたしの腕を
がしっとつかんだ。
その瞬間、
ひゅん！！！とおなかの中に
冷たいものが滑り落ちる感覚に襲われる。
ーーーーー『俺のこと、忘れちゃった？
いい加減、日本語覚えたら？』ーーーーーーー
「いやぁあああああ！」
あたしは思わずその場に
しゃがみ込んでしまった。
どうして・・・遠い遠い・・
はるか遠い昔の記憶・・
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