The last present

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「うわぁー久しぶり! 全然なんも変わってないし!」 部屋に入るなり アツキはそう大声ではしゃぐ。 ・・正直あたしも この変わりのなさに驚いた。 家具も家電も配置も何もかも。 ・・マグカップも。 あたしが住んでいたころと 何も変わらなかった。 アツキがリビングで 大騒ぎをしているのを放置して 自分の部屋に向かってみる。 ・・ここも。 7年前、あたしが出て行った時と 変わらないまま。 ベットもクローゼットも 机もTVもパソコンも。 本当に”そのまま” 変わらなかった。 といっても、 埃くさくもないので 定期的に掃除されていた感じはある。 兄貴があたしの部屋まで 掃除してくれたの? そう考えると少し怖いかも・・ 「なぁケイ! 今日ソラさんは?」 アツキがあたしの部屋にやってきた。 「あーしらない。 さっき電話したら飲んでるって 言ってたよ。」 そっか~。 アツキは残念そうな声を出す。 兄貴とアツキは師弟関係。 そのため、アツキはこの家に 何度も足を踏み入れて 自主練習を行っていた。 最初のうちは めちゃくちゃソラに怒られて。 ・・なつかしいなぁ。 「・・ってかこの家には 何度も来てるけど ケイの部屋に入るのは 初めてだなぁ。」 アツキはそういいながら ずうずうしく 部屋に上がりこんできた。 確かにそうかも。 そう思いつつも。 やっぱじろじとみられるのは 嫌だ。。 「ってか変態、 早く出て!」 「変態って・・。」 アツキは泣きそうな顔になるが すぐに視点を変える。 「あーこれ! 俺みたい!」 アツキは 棚に並んでいたDVDを指差した。
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